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2024.07.17

DNPがXR領域でmonoAIと資本業務提携【後編】~リアルとバーチャルの融合が叶える世界~

DNPがXR領域でmonoAIと資本業務提携【後編】~リアルとバーチャルの融合が叶える世界~
この記事はこんな人におすすめ
  • XR・メタバース領域での新規事業に興味のある方
  • リアルと融合するメタバースの実現に興味のある方
  • DNPのXRコミュニケーション事業に興味のある方

皆さんこんにちは。DNP INNOVATION PORT運営メンバーの小泉です。

5月13日に大日本印刷(以下DNP)とmonoAI technology株式会社(以下monoAI)の資本業務提携の締結と、XRコミュニケーション領域での取組の拡大が発表されました。その資本業務提携迄の過程については前編の記事をご覧ください。

後編となる今回は、両社が資本業務提携により共同開発を目指す「リアルとバーチャルの融合」についてお話をお伺いいたしました。未来へのわくわくや、XR・メタバースの可能性を感じることができるお話でした。

DNPの目指すリアルとバーチャルの融合とは

資本業務提携のリリースを拝見して、リアルとバーチャルの融合という言葉がとても印象的でした。
改めて、リアルとバーチャルについてお伺いします。


リアルとバーチャルとは またその融合とは

―浜崎―
とてもシンプルに考えています。
リアル側は現実空間として場所・人・モノを含めて実在しており、体験できるものと考えています。
バーチャルは仮想空間に表現されており、実在していません。
一方でデジタル情報とはどちらもつながっています。リアルといえども、監視カメラやセンシングデータ、スマホも常にネットワークに接続しているという点では、デジタルと常につながっているといえます。バーチャルはデジタルの表現の中で3DCGを活用して生成されてもいます。差はデジタルがリアルな人に影響を及ぼすか、仮想空間の人に影響を及ぼすかだと考えます。

―本城―
XRの技術でリアル空間に仮想空間のものを映しこみ、まるでその場に存在するかのように見せる技術です。わかりやすい例を出せば、遠方からも同じように工場の作業に参加して一緒に作業するようなものです。

―浜崎―
デジタル上でリアル側の情報とバーチャル側の情報が融合されて、リアルにいる人間も意識することなくバーチャルに参加し、バーチャルにいる人間も意識することなくリアルに存在する。互いにあたかも隣にいるかのようにコミュニケーションできるようになるという世界を目指しています。
リアル側の行動はバーチャル側に作用し、バーチャル側の行動もリアル側に作用します。そのためには、センシングの技術や情報を常に同期し続ける技術などが必要になります。

―本城―
先日DNPさんの社内のイベントでは、リアルとバーチャルの融合のテストもやらせていただきました。
カメラやセンシングのデータからのリアルタイムの処理などの精度をあげていく課題はまだまだありますが、そう遠くない未来に実現させられると信じています。

リアルとバーチャルの融合が叶える世界

リアルとバーチャルの融合のイメージが少し湧いてきました。
実際に融合した世界では、どのように生活が変わっていくのでしょうか。


―浜崎―
まずは地域の格差をなくせると思っています。
病院や学校など場所の社会インフラも新しいコミュニケーションによりあり方が変わる。
あたりまえのように、遠方の学校に通ってコミュニケーションを受けることができる。ただ、動画コンテンツなどで授業を見るのではなく、体験として一緒に過ごすことができる。
場所に縛られたコミュニケーションから解放されるような未来が来てほしいと思っています。

―本城―
同じく一番は距離の制約を超えることができる点がメリットだと思います。
学校だけではなく、旅行などの過ごし方も変わるかもしれません。
仮想空間の中でも人のふれあいができるようになると、まずは仮想空間でいろいろなところに行ってみる。そこでの行動を基にリアルに還元されたインセンティブで実際に現地に足を運ぶ。などです。

―浜崎―
コロナ禍でオンラインコミュニケーションのツールは広く普及しました。MTGをオンラインで行うことも一般的になっています。そこに、実在感と体験が追加されるようになるイメージです。

―本城―
なんとなくイメージできるけど、まだまだはっきりと頂上は見えない。
やっと山のふもとに足を踏み入れたくらいが現在地なので、これからどんどん新しい考え方やサービス、技術も出てくると思います。

リアルとバーチャルの融合が完成するまでの課題

なんとなくイメージはできるけどまだ遠いという点で、完成までの課題など今すでに見えているポイントはありますか?


―本城―
もうすでに、同じデバイスを付けていれば、遠方同士でも目の前の椅子に相手の上半身が見えて、会話ができるようなデバイスはあります。仮想空間を現実にオーバーレイさせてコミュニケーションをとるニーズ自体にはすでにアメリカなどでも投資が始まっています。
携帯電話の普及で言えば、今は大きな辞書のような電話を持ち歩いていた時代です。それがどんどん小さく高機能になり今のスマホになりました。同じような進歩が起きていくと思います。

―浜崎―
まだ時間はかかると思いますが、ハードが普及して、スマホを持つのと同じくらいあたりまえに体験できるようになるときには、世界がガラッと変わっていると思っています。だからこそ、今から新しいチャレンジをしていきたいです。

―本城―
デバイスの普及以外の点で言えば、まだまだいくつもありますが、一つはやはりデータの取得とその反映です。

―浜崎―
今回DNPでやった実証でも、リアルの人がバーチャル空間では変なポーズで投影されてしまったりしました。カメラを使ったモーションキャプチャーにしても、日進月歩で進歩しているとはいえ、今まだ1人の動きを正確に表現することも難しい場合もあります。

―本城―
1人とれたら次は何人・何十人と情報を取得して整理していくことが必要になります。また、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)と呼ばれる机の形状だったり椅子の位置だったり、いすの前後どちらにいるのか深度情報だったりと、人間が自然とおこなっている情報処理をコンピューターに一つ一つ落とし込んでいくとものすごくたくさんの処理が必要になります。その一つ一つを検証して、実装していく。そのために常に新しい技術にアンテナを張って実現しようとしている最中です。

―浜崎―
サービス開発という目線で言えば、どれだけたくさんのユースケース作ってサービス化できるか。技術面で実現するところと、サービスとして作り上げるところは別問題です。だからこそサービスを作っていくプレイヤーのみなさんとも連携していくことが必要になると思っています。もう少し技術が進歩すれば、現実味をもってサービス化に向けたお話がしやすくなると思います。わくわくしたサービスを作りたいです。

両社で目指す未来にむけて

最後に今後の事業化に向けて一言、意気込みをお願いいたします。


―本城―
会社もリアルとバーチャルの世界の融合やオンラインでのコミュニケ―ションのサービスを作りたいという思いでずっとやってきました。そしてようやく技術的も追いついてきてこれからやろうというタイミングで、DNPさんと一緒に取り組めるようになったことはすごくいいタイミングで一致したと思います。もうこうなったらやるしかない!と思ってます。圧倒的なNo.1目指して全力でDNPさんと一緒に取り組んでいきます。

―浜崎―
DNPは未来のあたりまえをブランドステートメントとしています。常に、あたりまえになる未来はどんなものだろうかと考えて新規事業開発をしています。まだまだ、XRコミュニケーションってなんだ?という時期だと思いますが、あたりまえのコミュニケーション基盤として使われるように社会インフラとなれるようにします。気が付いたらいつの間にか、社会インフラになっているそういう未来を目指して、monoAIさんと一緒にやっていきます。


お二人ともありがとうございました。
リアルとバーチャルが融合する未来を想像するととてもワクワクしました。その一方で技術的なハードルや非日常と日常のギャップなど、実現のためにクリアしなくてはならない課題もたくさんあります。今後もDNP INNOVATION PORTでは、リアルとバーチャルが融合する世界の実現に向けた両社の取組についても発信していきます。
興味がある方、リアルとバーチャルの融合を共に目指すパートナーとなっていただける方、こちらからお問い合わせいただけますと幸いです。

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