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2024.07.12

DNPがXR領域でmonoAIと資本業務提携【前編】~両社の出会い、資本業務提携までの歩み~

DNPがXR領域でmonoAIと資本業務提携【前編】~両社の出会い、資本業務提携までの歩み~
この記事はこんな人におすすめ
  • XR・メタバース領域での新規事業に興味のある方
  • リアルと融合するメタバースの実現に興味のある方
  • DNPのXRコミュニケーション事業に興味のある方

皆さんこんにちは。DNP INNOVATION PORT運営メンバ-の小泉です。
5月13日に大日本印刷(以下DNP)とmonoAI technology株式会社(以下monoAI)の資本業務提携の締結と、XRコミュニケ-ション領域での取組の拡大が発表されました。これから社会に浸透していくであろうXR・メタバ-スの技術を用いて、両社がどのように事業を拡大していくのか。ニュ-スリリ-スでは語られなかった両社の思いや今後のビジョンについて、DNPのコンテンツ・XRコミュニケ-ションユニット ユニット長 浜崎氏、monoAI 代表取締役社長 本城氏にお話をお聞きしました。

左 DNP浜崎氏 右monoAI本城氏

DNPとmonoAI それぞれの“XR事業”とは

両社の“XR事業”についてどのような取り組みをされているか、どのようなことを目指されているか教えてください。


-浜崎-
DNPはコンテンツ(情報)を扱ってきた会社です。情報を加工し、変換することで様々なメディアへ展開してきました。通信技術やデバイスの発展に伴い、コンテンツはより広く、多くの人へ届けられるようになりました。今では、年齢や、性別、言語、距離様々な壁を取り除いて、コミュニケ-ションができるようになりつつあります。
DNPのXRコミュニケ-ション事業では、リアルとバ-チャルがシ-ムレスにつながり融合することで、より自然かつ実在感のあるコミュニケ-ションができる環境を整え、誰でも、いつでも、どこでも体験できる新しい体験価値を提供します。BtoB(BtoBtoC)の領域から展開し、インフラとして社会実装され、未来の新しいコミュニケ-ションと経済圏を創出することを目指しています。

-本城-
私たちmonoAIはゲ-ム会社として設立された会社です。創業時からオンラインコミュニケ-ションや仮想空間上のコミュニケ-ションに、こだわっていました。その過程で通信技術やサ-バ-技術を磨いてきました。2016年にVRという技術を知ったときは、視覚を拡張し没入感を与えることができるすごい技術だなと思い、取り組みを開始しました。
エンタ-テイメントはもちろん、産業用のメタバ-スの利用も始まっております。メタバ-ス空間では別の自分になって人生を歩むような世界も訪れると思います。
そう考えた時にゲ-ム会社というエンタメの枠を飛び出して、あらゆる業種に対してメタバ-スを提供できるようゲ-ム開発で培った技術を活かしてXR CLOUDというプラットフォ-ムを作りました。

両社の出会い~資本業務提携にいたるまで

DNPとmonoAIの出会い

コミュニケ-ションを軸にXR事業を始めたDNPとエンタメ領域からXR事業を始めたmonoAIが出会ったのはいつでしょうか。


-浜崎-
2020年、日本動画協会と共同運営する東京アニメセンタ-のバ-チャル化を運営メンバ-が検討していました。その時monoAIさんのXR CLOUDというサ-ビスに出会い、活用できないかと相談しました。

東京アニメセンターHPより引用

-本城-
その時は、サ-ビスを知っていただきディスカッションさせていただきましたが、直接お仕事を一緒にさせていただいたのはもう少し後でしたね。

-浜崎-
我々も協賛していた展示会で、実際にXR CLOUDを体験して、とても良いものだとはすぐに感じました。ただ当時はアプリが必須だったため、BtoBで展開していきたい我々としては、ブラウザ対応したら是非使いたい。とは強く思っていました。

-本城-
エンタメ領域から始めた我々はアプリのサ-ビス提供から始めたのですが、BtoBでサ-ビスを展開していく上では、浜崎さんのおっしゃる通り、アプリケ-ションのインスト-ルがハ-ドルでした。
そこで2022年にHPからすぐに遷移して使えるように、ブラウザ版をリリ-スしました。

-浜崎-
当時はまだ、XRやメタバ-スが非日常の行動でした。ゲ-ムやエンタメ以外ではほとんど使われていない状況。なのでBtoBで展開するならなおさらURLをクリックすればすぐに空間に入れるようなサ-ビスが必要だと感じていました。

-本城-
ブラウザ版をリリ-スしてからは、ほとんどブラウザ版でご利用いただいています。

お互いの第一印象について

出会ってすぐにはお仕事で一緒にならなかったとのことですが、継続したコミュニケ-ションをされていたという点でお互いに惹かれ合う何かを感じていたのでしょうか?


-浜崎-
私は兵庫県出身なので、神戸本社というだけで郷愁をそそられました(笑)
会社としてみた時には、私たちの部署が当時は20人前後、monoAIさんは100人規模でエンジニアも多数在籍していて、XRに関わる人材として我々よりもはるかに規模が大きいと感じました。
取り組み内容に関しても、技術面も含めて非常に信頼できるパ-トナ-だなと感じました。

-本城-
DNPさんのことは当然存じておりました。歴史もある会社でありながら、いろいろなことにチャレンジされて幅広く事業を展開されているという印象が強かったです。
その中でも、XR事業を立ち上げようとしているという点で非常に強いシンパシ-を感じました。

最初の共同での取組

では、最初にご一緒されたときのことと、そこからどのように資本業務提携に至ったのか教えてください。


-浜崎-
2022年にXR CLOUDがブラウザ対応もできるようになったことをうけて、DNPが関わっていた実証実験を一緒にやったのが最初です。我々としては、ブラウザ版リリ-スのお話を聞いて、是非ご一緒したいと思っていたので、お声かけしました。それがきっかけで技術交流が始まりました。

-本城-
その時からDNPさんのクライアントへ提供させていただくメタバ-スの開発などビジネス用途でのお仕事をご一緒させていただく機会が増えました。我々としては、様々なクライアントの要望を聞くことができ、そこでサ-ビス機能の拡張にもつなげることができました。

-浜崎-
monoAIさんの開発力があってこそ提供できる機能やサ-ビスが多くありましたので、そこは我々としても心強かったです。

資本業務提携のきっかけ

すでに良好なパ-トナ-シップだったことがお二人の様子からもわかるのですが、さらに一歩、資本業務提携に踏み込もうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。


-浜崎-
DNPのXRコミュニケ-ション事業はリアルバ-チャルをシ-ムレスにつないで融合させ、新しい体験価値を創出することを目的としていますが、どのようにシ-ムレスに融合させるかという点にやはりハ-ドルがありました。
要素技術を確認していくと、monoAIが進めていたAR、MR領域のR&Dが非常に我々の目指す世界と近しいと感じました。実際の体験価値を作っていくときにも技術パ-トナ-としてmonoAIさんは欠かせないと思い、所謂受発注の関係ではなく、知見の共有をしながら一緒に事業を構築したいと思いました。

-本城-
monoAIとしても2022年12月に上場をしまして、会社を成長させていくために、事業会社との中長期的なパ-トナ-シップの構築ができればよいなと思っておりました。
そのタイミングで、もともとお付き合いがあり、目指しているビジョンも非常に近いDNPさんにお声かけいたしました。

-浜崎-
monoAIさんの現段階で1,000人規模の同時接続・対話によるコミュニケ-ションが可能な情報処理の技術に関しては、ほかにはない強みであると思っていましたし、我々が目指すXRコミュニケ-ションには必要不可欠な要素だと思っていたので、お声かけいただいた時には、「是非!」とお答えしました。

-本城-
我々も最初にDNPさんにお声かけして、そこでよいお返事をいただけて良かったです。
DNPさnとの資本業務提携により、DNPさんの技術やアセットをmonoAIのR&Dと掛け合わせることで一気にメタバ-スの可能性が広がるイメ-ジができました。

資本業務提携を締結した今の思いや感じること

社内外からの反響

5月13日に資本業務提携締結のリリ-スも発表されて、それから約1.5ヶ月経っている今ですが、社内外からの反響などありましたか。


-浜崎-
社内からとても注目されています。金額はもちろんXRやメタバ-スの可能性を感じる提携でした。すでに社内の他事業部からもXRコミュニケ-ションとの連携により、課題解決できそうな相談がいくつも入ってきており、良い意味で注目されているなと感じています。

-本城-
外部的には、monoAIのようなベンチャ-企業にDNPさんのような歴史のある大企業が出資をしたということで、多くの反響をいただきました。
そして内部的にも、技術やサ-ビスを認められていると実感できたことや、今後広がる事業展開の可能性に対して、社内のメンバ-もワクワクしています。

-浜崎-
こちらのメンバ-も、進むべき道筋をしっかり示せたことで、非常にモチベ-ションが高まっているように感じます。

資本業務提携を結んだパートナーだからこそ期待すること

両社に対してそれぞれ期待することをメッセージとしてお聞かせください。


-浜崎-
我々は今後XRコミュニケ-ションを社会実装していきたいと考えています。それはつまり、誰もが当たり前のように使える状況になるようサ-ビスを創り上げていかないといけない。
そのためには背景にある技術をどんどん進化させていく必要があります。
その技術を一緒に組み上げていくという点はとても強い期待をしています。また、DNPの開発メンバ-にとっても、リアルとバ-チャルが融合するプロトタイプを一緒に作ったことなどは、すごく良い刺激になっているので、今後も技術面での交流にも期待しています。

-本城-
ビジョンはすごく一致していると思っています。
monoAIとしては、世の中にどんどんソリュ-ションとしてメタバ-スを提供していきたいと思っている中でDNPさんの展開力、規模感のある事業推進はとても期待しています。大企業ならではのパワ-を感じながら、一緒に新規事業開発、産業を作っていくということにとてもワクワクしています。

-浜崎-
今はまだメタバ-スは新しい体験価値を味わってもらう実証フェ-ズにあると思っています。だからこそ、当然安心・安全に体験できるような空間内のセキュリティやプライバシーの保護も必要になります。社会実装していくことになれば決済などのシステムとの連携も必要になってきます。
この辺りはDNPがこれまで培ってきた事業のノウハウを活かして、一緒にXR CLOUDを発展させていけるといいなと思います。

-本城-
そうですね。DNPさんのセキュアな管理やノウハウは圧倒的な信頼感があります。
セキュアな環境下かつ、そこにコンテンツとしての魅力を載せていくことで、社会実装も現実化すると思っています。是非一緒に取り組んでいきたいです。


お二人ともありがとうございました。

出会い~資本業務提携に至るまでの両社の歩みをより深く知ることができました。

お互いに最初からプラスの印象を持ち、様々な業務の中でお互いが目指すビジョンに共感し、資本業務提携が実現しました。

後編では、提携の先に見据える共同サ-ビス開発や、未来についてのインタビュ-をお届けします。

そちらも是非ご一読ください。

 

本プロジェクトに興味のある方はこちらからお問い合わせください。

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