こんにちは!本プロジェクト担当の大島です。
前回の記事では、「男性育休の未来のあたりまえ」を考える上で、有識者の立場でコンサルティングと監修をしてくださっているパートナー、合同会社Respect each other(以下REO社)をご紹介しました。
REO社との取り組みを通じて、私たちの考える「男性育休の未来のあたりまえ」の仮説において、視座を高めて考えることができており、解像度が上がっています。その背景には、「男性育休に関する事業開発」という山になぜ登るのか、その先にはどういった未来を目指したいのか・・・といった視点で、言語化をするための調査やディスカッションを繰り返しているからだと感じます。
これから数回の発信では、REO社との取り組みの内容や、それを経てたどり着いた視点をご紹介できればと思います。
私たちが登る山は何か?
私たちが、男性育休に着眼したきっかけは、「子育てをアップデートする」ことを目指して取り組んできた「ベビーテックプロジェクト」においてビジョンに掲げる「産みたくなる・育てたくなる社会」を実現するために、改正育児介護休業法が大きな転機になると感じたことでした。
どうしたら、現状伸び悩む取得率や取得日数が改善されていくのか・・・
その視点で、事業としてできることは何なのか・・・
ステークホルダーインタビューを中心として、社会や企業が抱える課題に向き合う日々が続きました。
しかし、REO社とのディスカッションの中で最初に問われた視点があります。
―――男性育休取得が循環したその先に、あなたたちは何を見ていますか?―――
私たちが登る山は何か?
私たちが、男性育休に着眼したきっかけは、「子育てをアップデートする」ことを目指して取り組んできた「ベビーテックプロジェクト」においてビジョンに掲げる「産みたくなる・育てたくなる社会」を実現するために、改正育児介護休業法が大きな転機になると感じたことでした。
どうしたら、現状伸び悩む取得率や取得日数が改善されていくのか・・・
その視点で、事業としてできることは何なのか・・・
ステークホルダーインタビューを中心として、社会や企業が抱える課題に向き合う日々が続きました。
しかし、REO社とのディスカッションの中で最初に問われた視点があります。
―――男性育休取得が循環したその先に、あなたたちは何を見ていますか?―――
それは、男性育休という「今」社会が直面する課題に向き合うことを「山登り」に例えると、一体「何の山」を登っていることなのか?という問いかけでした。
男性育休の取得率や取得日数が上がれば満足か?乳児期の育児をしやすい夫婦が増えれば満足か?育児を少しでも楽にするイメージが湧き、出生率が伸びれば満足か?
私たちの意図は、いずれもYESである一方で、最終的に目指していることではない。つまりそれはゴールではなく「プロセス」だということでした。
では、私たちが登る山とその先に描きたい未来とは一体何なのでしょうか。
私たちが登る山は、「ワークライフシナジー」だ!
近年、個人が「幸せに」「豊かに」働くことの重要性は、「ウェルビーイング」というキーワードで語られています。また、企業経営において、「人」を重要な経営資本と捉え、その育成や活用を重視していく流れは、「人的資本経営」というキーワードで注目されています。
今、私たちが考えている男性育休取得の循環が広がっていくと、ウェルビーイングの実現や人的資本の取り組みに繋がっていくひとつの要素になるだろう、と考えます。
私たち自身も企業で働く一員ですが、仕事での達成すべき成果の追求やキャリアアップ、プライベートでの楽しみたい趣味、家族の一員としての役割など、「やりたいこと」や「やらねばならないこと」が、日々溢れています。
そして、様々な場面で「どれも諦めたくない」という贅沢な欲求に向き合い、それでも有限である時間や体力といった自分のリソースを理由に、取捨選択を求められてきました。
私たちにとっては、「子育て」がその場面の1つです。
大切な子どもとの時間にじっくり向き合いたい一方で、仕事では重要な役割を担う年齢にもなり、知識習得のための勉強や、自分にとってチャレンジングな経験に飛び込んでいきたい・・・「働きながら育てる」ためには、仕事とプライベートをまたぎ、選択が必要な場面がたくさんあります。
また、ステークホルダーインタビューの男性育休取得当事者の方も、「長期取得を優先したので、キャリアを諦めると思われても仕方がない」「今は仕事が重要なときだから、育休は最短期間で我慢した」といった声が多数聞かれました。
私たちがチーム内で行うディスカッションでは、すべてを叶えるために無理をするのではなく、うまくバランスを取りながら「働くと育てるを両輪で回す」ことを目指したいという点を都度確認しています。
どちらかを優先する、どちらかを諦めるではなく、すべてを叶えるために無理をする、でもなく、むしろ、両方に取り組むことで相互に良い影響を与え合うような形を目指せないかという想いが強くなっていきました。
そして、ワークとライフが相乗効果を生む状態、つまり「ワークライフシナジー」が、私たちが目指したい姿である、というひとつの解にたどり着きました。
仕事で得られる新たな知識や経験も、働きながら育てる経験、例えば今回テーマにしている男性育休を取得するための努力や工夫なども、その人が得た多様性の視点であり、その後の人生において重要な「財産」になると思います。
そしてそれは、男性育休に限ったことではなく、介護やリフレッシュのための休暇、キャリアアップのための研修などなど、「〇〇しながら働く」というシーンにおけるあらゆる「人」に関連することだと思います。
私たちが、男性育休に取り組みながら目指す山とは、「どんな状況の人にとっても、ワークライフシナジーをかなえられる社会の実現」なのだと明確になりました。
次回の記事では…
ワークライフシナジーの実現をゴールに置いた上で、「男性育休」を見ていくと、新たな仮説にたどり着きました。
次回からの記事では、「ワークライフシナジーをかなえる男性育休の循環のあり方とは?」について発信していく予定です。引き続きお楽しみに!