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PROJECT REPORT 活動報告
PROJECT
循環する男性育休の実現~「働く」と「育てる」を両輪でかなえる社会へ~
産後パパ育休スタート記念!経験者が語る「男性育休制度のアレコレ」
こんにちは、本PJ担当の大島です。
育児・介護休業法の改正により、2022年10月1日から産後パパ育休がスタートしました。これまでの育休に追加して、産後8週間以内に最長4週間取得できる制度です。2回に分割して取得できる点、一定の条件をクリアしていれば休業中の就業が可能な点など、これまで以上に取得促進につながることを目指した視点での改正が伺えます。
▲出典:厚生労働省HPより
これまでインタビューしてきた対象者の方々が課題として感じていた、「1か月仕事を抜けることが不安」「案件やチームの状態が不安で長くは休みにくい」・・・といったポイントも、少しは解消されるのかな、という期待を抱いています。
そして、私たちが目指す「ワークライフシナジー」の実現にも通じる要素を感じます。
実際にこれまで男性育休を取得してきた対象者からみると、この制度変更にどんな期待や不安を抱くのでしょうか。
今回は、この2年以内に実際に男性育休を検討・取得した男性社員3名と、産後パパ育休を含めた男性育休制度にまつわるアレコレをディスカッションしてみました。
対象者
育休取得の理想の姿とその壁は?
Aさん:私は、難産だった妻をしっかりサポートしたい一方で、長く取りすぎると、仕事に戻るのが心配だったので、1か月取得が理想でした。理想通りに取得できた形です!
Bさん:私も1か月が理想でした・・・ただ当時仕事がものすごく繁忙で、妻の実家のサポートに頼ることにしました。育休としては2歳以内に取ることを目指していたので、無事取得できてよかったです。
Cさん:2人目までは、理想は1年と思っていました。仕事よりも家庭優先!と思っていたのですが、3人目の今、仕事に対する思いが少し変わって、理想は3-4か月くらいですね。最終的には、仕事でやりたいこととの調整を現実的に考えて、2か月取得になりそうです。
大島:理想の期間も色々ですね!思うほどには取得できない要因は何だと思いますか?
Bさん・Cさん:仕事ですね!!それはやっぱり!!
大島:そうですよね・・・仕事さえ調整できれば・・・とストレスに感じたりしますか?
Bさん:いえ、仕事は仕事でイヤイヤやっているわけではなく、やる気も責任も感じているんですよね。もちろん、子どもとは出来る限り一緒にいたいから、「バランス」だなと思います。
Cさん:バランス、分かります!!私も、妻と子どもとしっかり過ごせる期間と、仕事に戻りやすい期間のバランスをよく考えました。
産後パパ育休に期待できそうなこととは?
大島:産後パパ育休も加わった「男性育休制度」に対してどんな期待を抱きますか?
Cさん:私の仕事は、仕事の区切りがつきやすく、一旦他部門にボールを渡す、また一定期間経つと戻ってくる・・・といったイメージです。なので、この区切りごとに分割して取得しやすくなるかなと思います。
大島:なるほど!今回「分割」は大きなキーワードですもんね。
Aさん:私は分割よりまとめて取得がいいですね。都度準備したり抜ける対応をする方が、オーバーフローしそうな予感です。
Cさん:3人目の子育てをしている立場だと、産後直後以外にも、保育園入学時や妻の復職時などなど、サポートしたくなるタイミングは待ち受けているので、少し長い期間で見た「分割」は有難いと感じますね。
Bさん:なるほど~。私は、2歳直前で取得することについて、少し周りの理解を得る努力が要りました。反対する方はいませんでしたが、「今のタイミングでも休んでやることあるんだっけ?」という見られ方をしている不安はありました。
大島:どうしても育休=産後直後というイメージは強いですよね。そこが定着してきたことは良いことですが、制度がこれほど多様化してくると、子どもが少し大きくなってきてから取得する意味も周知していかないと、期待通りに活用しきれませんね。
制度をうまく利用するために、チームに対してできることは何か?
大島:部門内や社内で、男性育休経験者として声をかけられたり、相談されることってあるのでしょうか?
全員:いや、ないですね~!!!
Bさん:仕事の会話の流れで子どもの話をすることはありますが、パパつながりでの会話はほぼないですよ。
大島:私たちは、男性育休取得が循環していくためには、引継ぎやマネジメントをするチームの方の理解や負担への考慮、事前の準備・・・などが非常に重要と感じています。多様な立場にある方のワークライフシナジーを実現したいと考えているからです。
皆さんから今日挙がった理想の取得を阻む壁に対して、どのようなアクションがあると効果的と感じるか、3つの選択肢から「これぞ!」と思うものを選んでみていただきたいです。
1 チームメンバーへの制度の説明・周知
2 相互理解につながるようなコミュニケーションの場の創出
3 引継ぎや業務移管の体系化
Aさん:2ですね!!私のチーム内は、たまたまメンバーが順番に育休を取得する時期が続きました。チームがボロボロになる恐れもあったと思いますが、むしろお互いのタスクや取り組みが共有されて、リレーションが取りやすくなったんです。 普段からコミュニケーションがあることが大切で、いきなり誰か不在になっても、メンバー同士の相互理解で、「誰か知ってくれている・動いてくれていると思っていた」といった食い違いがなくなると思います。
Cさん:3は業務によると思いますが、体系化はなかなか難しいと感じます。1は当事者ではない立場で聞いても、なかなか情報として残らないと感じます。比べて2は、配置や役割が変わることで他者視点を得られるので、新たな学びになると思います。その学びを共有する場があると、さらに良いですよね。
大島:違う立場を体験することで得られる多様性やスキル・・・ありますよね!
Bさん:同じ意見ですね。1については、上司の立場の方には知っておいていただきたいと思いますが。
大島:みなさん2に意見が集中しました。いずれも必要なアクションだとは感じつつ、根底にあるのは、コミュニケーションであり、そこから生まれる日頃の相互理解ということですね。本日は、ありがとうございました!
ディスカッションを振り返って
今回のディスカッションは、職種や職場環境も異なる3名に集まっていただきました。それぞれの理想の姿は異なるものの、仕事と家庭両方にモチベーションや責任を感じながら、最善の方法をうまく探して実現する方々でした。
そして、その実現のためには、上司をはじめとする周囲の方が、どこまで理解し支援してくれたか、それがチーム全体にあたりまえとして広がっていたか、が影響していたように思います。
相互理解は数日で築かれるものではなく、日々の積み重ねで成り立ちます。会社の大切な資本である社員が抱えるやる気や責任感を、プラスの方向で発揮していくために、どのような環境・状況にある職場でも、チーム相互のコミュニケーションを生み出し、理解し合える、助け合える風土の必要性を実感したディスカッションでした。
ちなみに・・・このディスカッション、実は事後の方が盛り上がっていたのです。部門を超えたパパ同士で語り合う場が貴重だったようで、ディスカッション後には、「トイトレどうしてます?」「こんな情報ありました!」といったチャットが活性化しました!
こんな横・ナナメのつながりがあるだけで、男性育休のハードルも少しずつ下がっていくのかな・・・と思う場面でした!
次回の記事も、お楽しみに!
【PJ進捗報告】ワークライフシナジーをかなえる男性育休の循環とは?
こんにちは!本プロジェクト担当の浜本です。
前回の記事では、このプロジェクトで目指す「山」である「ワークライフシナジー」について、お話させていただきました。
9月19日は「育休を考える日」
これまでに実施してきたインタビューから、男性育休取得によって「取得当事者」だけでなく「チーム」や「組織」にとっても得られることがある、という点が見えてきました。
9月19日は、「育休を考える日」です。2019年に積水ハウス株式会社によって記念日制定されました。
私たちも、この記念日にちなみ、男性育休取得が企業、組織、チームにもたらす新たな視点について考えてみました。
今回の記事では、ワークライフシナジーをかなえる男性育休の循環のあり方として、私たちがたどり着いた仮説についてご紹介します。
男性育休をきっかけに起こるチームの変化
その仮説とは、「男性育休は、つよいチームづくりにつながる」というものです。
つまり、「代替人員なしで、チームメンバーが数か月単位で抜ける」という、一見ピンチな状況は、それに対する準備や対策をすることで、「チームがつよくなる」というチャンスにつながるのではないか、ということです。
私たちが考える「つよいチーム」とは、メンバー同士の助け合いが循環し、誰が抜けても成果を上げ続けられるチームの状態と定義しています。
この中で重要なのは「メンバー同士の助け合い」であり、それが一時的なものではなく、「チーム内で循環」していくことだと考えました。
男性育休で起こる助け合いの循環とは?
全体で見ても企業の平均男性育休取得率は10%台で、まだまだ男性が育休を取得することが「あたりまえ」になっている風土の企業ばかりではないと思います。そんな中でも、男性育休の特性をプラスに捉えることで、チーム内で助け合いの循環が生まれ、もっとポジティブに取得を支援していけるのではないでしょうか。
男性育休の特性として挙げられるのは、「自身の体調や身体的変化はないため、余裕を持って育休取得のための準備期間が持てること」と、「数か月単位の期間限定で業務を引き継ぐこと」という点です。
この点を活かすと、期間限定の業務を依頼する際に、しっかりと準備とコミュニケーションを持って引継ぎができるといえます。
男性育休は、準備段階・実際の育休期間・復職後・・・様々なシーンでチームメンバーの作業が発生します。人によっては、負荷が増えてしまうこともあります。取得当事者と引継ぎ者間だけでなく、チームをマネジメントする上司やチームメンバー同士の助け合いが、半強制的に試される期間となります。
この期間を、いかに、お互いの立場や役割、気持ちを理解しあったコミュニケーションで乗り越えるかどうかが、「助け合い」を循環させる肝ではないかと考えます。
実際にどんな助け合いをしているのか、私たちのインタビューにおいて好事例だと思えたチームを紹介します。
下記はそのチームが行った助け合いと、それによってチームが得たものの一例です。
<当事者の工夫>
✓誰が読んでも分かりやすいように注意して引継ぎ資料を作成した
✓関連フォルダを整理し、書類の場所を見失わないようにケアをした
→業務の棚卸しの機会となり、復帰後含めて効率化できる部分の発見につながった
→配慮のある引継ぎ準備が、引継ぎ相手やマネージャーとの信頼関係強化につながった
<引継ぎ者の工夫(当事者の後輩)>
✓復職時に仕事をスムーズに戻すことができるように進捗管理をし、それを履歴に残すようにした
→引継ぎ者にとって、新たな仕事の経験をするきっかけとなり、スキル向上につながった
<上司の工夫>
✓不在時に起こった不測の事態に対して、当事者に連絡がいかなくても済むように共に対応をしてリカバリをした
✓小まめに声がけや1on1を実施し、部下への期待を伝えたり、状況把握を心掛けた
→チームにとって、リーダーへの信頼が高まり、メンバーのエンゲージメントがあがるきっかけとなった
相手の気持ちや負荷を、配慮したり予測したりすることで、その後の信頼関係につながっている点や、本音を伝え合う場を持つことで、「分かっているつもり」「分かってもらっているつもり」といったコミュニケーションエラーが減っている点など、心理的安全性やエンゲージメント向上につながっていると感じられました。
一方で、ここまでの状態にあるチームは決して多くなく、誰もが実践するにはハードルが多々あるであろうとも感じています。
仮説の確からしさを企業との対話で見出したい
「男性育休は、つよいチームづくりにつながる」
この仮説を持ちながら、そこに共感してくださる企業と、「どうすれば、男性育休がつよいチームづくりにつながるのか?」を共に考える場の計画を進めています。
実現には課題も多くあるはずなので、私たちが把握しているチームの現状や課題をもとに、様々な企業にとっての状況も把握していきたいと思います。
そして、ボトルネックになっている部分を見出しながら、その解決策をサービス化できるように進めていきたいと思います。
次回の発信も、お楽しみに!
【PJ進捗報告】「循環する男性育休の実現」の先に目指すこととは?
こんにちは!本プロジェクト担当の大島です。
前回の記事では、「男性育休の未来のあたりまえ」を考える上で、有識者の立場でコンサルティングと監修をしてくださっているパートナー、合同会社Respect each other(以下REO社)をご紹介しました。
REO社との取り組みを通じて、私たちの考える「男性育休の未来のあたりまえ」の仮説において、視座を高めて考えることができており、解像度が上がっています。その背景には、「男性育休に関する事業開発」という山になぜ登るのか、その先にはどういった未来を目指したいのか・・・といった視点で、言語化をするための調査やディスカッションを繰り返しているからだと感じます。
これから数回の発信では、REO社との取り組みの内容や、それを経てたどり着いた視点をご紹介できればと思います。
私たちが登る山は何か?
私たちが、男性育休に着眼したきっかけは、「子育てをアップデートする」ことを目指して取り組んできた「ベビーテックプロジェクト」においてビジョンに掲げる「産みたくなる・育てたくなる社会」を実現するために、改正育児介護休業法が大きな転機になると感じたことでした。
どうしたら、現状伸び悩む取得率や取得日数が改善されていくのか・・・
その視点で、事業としてできることは何なのか・・・
ステークホルダーインタビューを中心として、社会や企業が抱える課題に向き合う日々が続きました。
しかし、REO社とのディスカッションの中で最初に問われた視点があります。
―――男性育休取得が循環したその先に、あなたたちは何を見ていますか?―――
それは、男性育休という「今」社会が直面する課題に向き合うことを「山登り」に例えると、一体「何の山」を登っていることなのか?という問いかけでした。
男性育休の取得率や取得日数が上がれば満足か?乳児期の育児をしやすい夫婦が増えれば満足か?育児を少しでも楽にするイメージが湧き、出生率が伸びれば満足か?
私たちの意図は、いずれもYESである一方で、最終的に目指していることではない。つまりそれはゴールではなく「プロセス」だということでした。
では、私たちが登る山とその先に描きたい未来とは一体何なのでしょうか。
私たちが登る山は、「ワークライフシナジー」だ!
近年、個人が「幸せに」「豊かに」働くことの重要性は、「ウェルビーイング」というキーワードで語られています。また、企業経営において、「人」を重要な経営資本と捉え、その育成や活用を重視していく流れは、「人的資本経営」というキーワードで注目されています。
今、私たちが考えている男性育休取得の循環が広がっていくと、ウェルビーイングの実現や人的資本の取り組みに繋がっていくひとつの要素になるだろう、と考えます。
私たち自身も企業で働く一員ですが、仕事での達成すべき成果の追求やキャリアアップ、プライベートでの楽しみたい趣味、家族の一員としての役割など、「やりたいこと」や「やらねばならないこと」が、日々溢れています。
そして、様々な場面で「どれも諦めたくない」という贅沢な欲求に向き合い、それでも有限である時間や体力といった自分のリソースを理由に、取捨選択を求められてきました。
私たちにとっては、「子育て」がその場面の1つです。
大切な子どもとの時間にじっくり向き合いたい一方で、仕事では重要な役割を担う年齢にもなり、知識習得のための勉強や、自分にとってチャレンジングな経験に飛び込んでいきたい・・・「働きながら育てる」ためには、仕事とプライベートをまたぎ、選択が必要な場面がたくさんあります。
また、ステークホルダーインタビューの男性育休取得当事者の方も、「長期取得を優先したので、キャリアを諦めると思われても仕方がない」「今は仕事が重要なときだから、育休は最短期間で我慢した」といった声が多数聞かれました。
私たちがチーム内で行うディスカッションでは、すべてを叶えるために無理をするのではなく、うまくバランスを取りながら「働くと育てるを両輪で回す」ことを目指したいという点を都度確認しています。
どちらかを優先する、どちらかを諦めるではなく、すべてを叶えるために無理をする、でもなく、むしろ、両方に取り組むことで相互に良い影響を与え合うような形を目指せないかという想いが強くなっていきました。
そして、ワークとライフが相乗効果を生む状態、つまり「ワークライフシナジー」が、私たちが目指したい姿である、というひとつの解にたどり着きました。
仕事で得られる新たな知識や経験も、働きながら育てる経験、例えば今回テーマにしている男性育休を取得するための努力や工夫なども、その人が得た多様性の視点であり、その後の人生において重要な「財産」になると思います。
そしてそれは、男性育休に限ったことではなく、介護やリフレッシュのための休暇、キャリアアップのための研修などなど、「〇〇しながら働く」というシーンにおけるあらゆる「人」に関連することだと思います。
私たちが、男性育休に取り組みながら目指す山とは、「どんな状況の人にとっても、ワークライフシナジーをかなえられる社会の実現」なのだと明確になりました。
次回の記事では…
ワークライフシナジーの実現をゴールに置いた上で、「男性育休」を見ていくと、新たな仮説にたどり着きました。
次回からの記事では、「ワークライフシナジーをかなえる男性育休の循環のあり方とは?」について発信していく予定です。引き続きお楽しみに!
【PJ進捗報告】「男性育休の未来のあたりまえ」を共に作るパートナーのご紹介
こんにちは!本プロジェクト担当の浜本です。
前回の記事では、私たちのチームメンバーの加藤をご紹介しました。
今回は、私たちが「男性育休の未来のあたりまえ」を考える上で、有識者の立場でコンサルティングと監修をしてくださっているパートナーをご紹介します。
パートナー探しで重視したのは目指す姿への「共感」
法改正を背景とした事業開発ということもあり、当初からダイバーシティ領域や法改正に伴う国の動きに精通した有識者パートナーを探索していました。ご紹介で面談した方もいれば、自分たちで会いたい企業を探し、問い合わせフォームからご連絡した方もいました。いずれの企業の方も、初対面の私たちに対して真摯にご意見をくださり、どうしたら実現に向かえるかを共に考えていただけて嬉しい気持ちになりました。
そんな中でも、合同会社Respect each other(以下REO社)の天野さん・野田さんからは、最初にお話した段階から「DNPさんが目指していることを一緒に作っていきたいです!」と強い共感を頂きました。さらに、もっと良くしていくにはどうすればいいかという視点で、一緒に頭を悩ませ、ご意見をくださる姿勢に強く感銘を受け、ご一緒させて頂くことを決めました。
▲プロジェクトメンバーでの集合写真(左から:REO社野田氏・DNP加藤・DNP大島・DNP浜本・REO社天野氏)
REO社は女性活躍推進や働き方改革等法改正に伴う企業の行動計画策定~プロジェクトマネジメントや、ダイバーシティ&インクルージョン領域の研修・講演を中心に事業展開をしており、近年では男性育休推進にも注力されております。(REO社HP)
代表の天野妙さんは、ワークライフバランス社の小室淑恵氏との共著で「男性育休~家族・企業・経済はこう変わる~」を出版されており、男性育休推進が企業にもたらす影響や効果についても提言されています。私自身もこの書籍を読んで、男性育休は家庭だけでなく企業や組織にとっても変革のきっかけになると強く感じたことも、REO社へのオファーのきっかけになりました。
計6時間の対話によるビジョン作り
REO社とともに「男性育休の未来のあたりまえ」を作っていく上でまず行ったのは、対面での「目線合わせ」でした。3時間のセッションを2回に分けて実施し、私たちが男性育休テーマでの事業開発に臨む上でのビジョン設計を行いました。このビジョンをつくる作業を「山登り」にたとえ、私たち一人ひとりが持つ「なぜこの山を登りたいのか?」のストーリーを共有することで、個人の思いを大事にしながらもチームの共通言語として語れる山を登る理由(ビジョン)を話し合いました。
今までもチーム間の対話は幾度となくしていましたが、改めて第三者の視点から問いかけや深堀りをして頂けたことで、私たちにとっても新たな気付きや、メンバー間での深い相互理解が得られました。
次に設計したのがビジョンに紐づく「What」と「How」の部分です。山登りに例えると、どのルートで登るのが最短ルートなのか?登るために今ある装備は何か?さらに必要な装備は何か?などを定めることで、登るための「地図」を作っていきました。
しっかり時間をかけての話し合いでしたが、REO社との目線合わせだけでなく、これまで自分たちが持っていた視点に、社会が求める要素や企業に響く要素を加え、ゴール設定と進むべき道をより明確にすることができました。
私たちがずっと大事にしてきていることでもありますが、事業開発に取り組む上でチームメンバーが常に本音で、密に対話をすることは、相互理解を生み心理的安全性を高めて、結果的に質の高いアイディア発想や実現スピードの向上に繋がります。
「未来のあたりまえ」を目指して旗を立てる
このプロジェクトで掲げている「循環する男性育休の実現」を、DNPのブランドステイトメントと掛け合わせて「男性育休の未来のあたりまえ」と称しています。共感いただいた企業とともに、その未来を実現していきたいと考えています。どのような企業と一緒に、どのようなアクションを起こしていくのか・・・ぜひ引き続きプロジェクト進捗にご注目ください!
【PJ進捗報告】アジャイル型事業開発のススメ
こんにちは!本プロジェクト担当の浜本です。
前回の記事では、ステークホルダーインタビューからの学びをご紹介しました。
今回は、私たちがこのプロジェクトを推進する上で大切にしている「アジャイル」の考え方と、アジャイル開発を推進する組織を牽引するひとりであり、本プロジェクトの大切な仲間であるチームメンバーの加藤をご紹介します。ビジネスサイドと開発サイドが1チームとなってアジャイル型での事業開発を行っています。
「お二人はアジャイル向きだと思います!」
DNPでは、2019年にアジャイル開発推進にコミットする組織が立ち上がり、実践知を可視化しながら、社内での普及~教育活動に取り組んでいます。そのアジャイル開発推進メンバーの一人でもある加藤は、私たちのプロジェクトに有志でジョインしてくれました。加藤自身の課題意識として、「いつも何を作るか決まってからアサインされるので、自分たちでアイディアから作るものを考えて開発をしたい」という思いがあり、課題探索から始まったこのプロジェクトに、アジャイル視点を持って臨むことは新しい挑戦だったそうです。
私たちは、あらゆるステークホルダーへのインタビューを重視しているのですが、ニーズが見込めないと判断した際は潔くアイディアのピボットをしています。元のアイディアに固執せず、ユーザーにとって何が価値になるのか?を貪欲に追い続ける姿勢は、加藤からも「アジャイル向き!」と背中を押してもらっています。
大企業の中で小回りの利く事業開発を目指す
大企業における新規事業開発の「あるある」として、事業構想を大きく描き、大きく投資をした計画を最後まで貫き通さねばならない、ということに陥りがちです。
大きな投資をすれば、それだけのリターンも求められるため、その事業計画を達成するために壮大な規模でサービスアイディアを描いてしまう、というプロジェクトの経験がある方もいるのではないでしょうか。そして、苦労の末、いざリリースすると、ユーザーからのニーズがない、反応がいまいち・・・。
そのような「あるある」を回避するために、アジャイル型での開発を取り入れ、検証を回しながら、アイディアや提供価値のブラッシュアップをしています。ミニマムに作ってみて、検証して、ダメだったらピボットする・・・という小回りを利かせた柔軟性を重視しながら進めています。
アジャイルに進めるためにやっていること
私たちも、最初からアジャイル視点で動けていたわけではありません。多くのターゲットに響くように壮大なコンセプトを描いてしまったり、目の前で「やらねばならない」タスクが量産され、ゴールイメージが共有できずに方向性を見失ったり・・・と、「あるある」の方向に陥った時期もありました。そこから抜け出すために、アジャイル視点でプロジェクトを進めるためにやっていることや、意識していることを紹介します。
●定期的な振り返りの実践
チームで定期的にKPT(Keep,Problem,Try)での振り返りを実施し、メンバー同士の思いや課題の共有を図っています。KPTはよかったことと改善点を洗い出して、次のアクションを決めるフレームです。まさに、常に「何は検討を続けて、何は見直す」といった視点で日々の内容を見直すことができます。また、建設的な対話ができてチームの心理的安全性も築かれます。
●タスク管理ツールでの分担と進捗把握
DNPが全社導入しているシステムの中にある、タスク管理ツールを活用し、各自のタスクを細かく管理しています。担当や期限の設定ができるので、タスク負荷や進捗が見える化でき、抜け漏れなく効率的にプロジェクト推進ができます。2か月先くらいまでのタスクを更新し続けているので、目の前のタスクは何のためにやっているのか、という共通認識も抱けます。
●毎朝のチェックイン運用
アジャイル開発のフレームワークの1つであるスクラムには、「デイリースクラム」という毎日15分実施する進捗確認ミーティングの手法があります。それを行うことで、「スプリント」と呼ばれる、期間を区切った開発作業が円滑に進んでいるかを確認して、改善することができます。私たちはまだ開発者ではありませんが、毎朝15分~30分でその日のタスクを確認したり、課題を相談したりする「チェックイン」の時間を設けています。これを行うことでその日やるべきことが明確になり、お互いの状況を把握する朝一のコミュニケーションも取れて作業効率化とチームビルディングの両方が叶っています。
このように、自分たちなりのやり方で手法を取り入れることによって、どんどんアジャイル視点を強化しながらプロジェクトを進められている実感があります。アジャイル開発の手法や考え方には、エンジニアでなくても参考にできることがたくさんあるので、ぜひ参考にしてみてください。
次回の記事では…
私たちのプロジェクトを、「男性育休推進の有識者」の視点でサポートしてくださっているパートナーをご紹介します。お楽しみに!
【PJ進捗報告】男性育休を取り巻く課題とは?
こんにちは!本プロジェクト担当の大島です。
前回の記事では、「働く」と「育てる」を両輪で回すことができる社会を目指し、男性育休に着眼した背景などをお伝えしました。
今回は、サービスアイディアを検討する上で私たちが重視した、ステークホルダーへのインタビューの詳細をご紹介します。
しくじりから学んだ、あらゆる立場のステークホルダーへのインタビューの重要性
新規事業検討において、課題やニーズの把握はとても重要です。これまで私たちが検討してきた様々な新規事業アイデアにおいても、重視して取り組んできたつもりでした。しかし、開発が進むうちにいつのまにか、「本当に困っている人が誰かわからない」「あったらいいけど、ないと困るわけではないと言われる」…といった壁に直面し、ニーズ調査をやり直すケースもありました。
そんな、かつてのしくじりからの学びとして、初期段階で徹底的にこだわったのが、あらゆる立場のステークホルダーへのインタビューだったのです。
<インタビューを実施した対象者と人数>
・社内外の育休取得対象の男性社員(20名) ※以降 当事者
・企業における育休推進担当の人事部門やD&I部門のご担当者(20社)
・当事者をサポートする同僚社員やマネジメント層(11名)※以降 サポーター/上司
・DNP内の関連部門(5部門)
・育児休業やダイバーシティテーマに取り組む有識者の方々(10社)
このような立場の方々に、約2か月で60回以上のインタビューを実施しました。多い時には、週8回の実施という週もありました!
状況のヒアリングだけではなく、私たちの仮説に対する忌憚ないご意見をいただくことや、時には新たな問題提議をいただくこともありました。元々接点のあった企業・部門の方ばかりではないため、インタビューをきっかけに生まれた接点は、私たちのプロジェクトの財産となっています。
大切なことはすべてインタビューが教えてくれた…!?
最初にインタビューを実施したのは、育休取得対象の男性社員(当事者)と、企業の男性育休推進担当者でした。
DNPの男性育休取得率は年々上昇しており、数週間~数か月という取得期間の方も多くなってきています。私たちが想像していたよりも、DNPでの男性育休には変化が表れていることを実感できたことも、1つの実りでした。
しかし、パートナーの妊娠初期に「3か月取得してみよう!」と意気込んだ方が、最終的には1か月取得になるなど、「取りたい内容と、取れた結果の乖離」が発生するケースが多いという現実にも直面しました。所属するチームの上司や同僚など、周囲へ迷惑をかけてしまうという意識や、「自分の居場所がなくなってしまう」という不安から、期間を見直したといった内容は、とてもリアリティがあり、強く印象に残っている当事者の声です。
一方、お会いした企業の方々は、皆さん社員を大事にされていて、「社員が取りたい内容で取れるように」と、取得促進に励まれていました。特に、マネジメント層への教育を実施される企業はとても多く、当事者に対してだけでなく、周囲の理解促進に対する取り組みも始まっていると実感しました。それでも、「職場の風土醸成には未着手」「業種や職場によって温度差、取得状況の差がある」といった課題は多く残っていることも知りました。
企業や職場は取得に前向きで、新たな制度や施策を充実し始めるなど、環境も整いつつあるのに、どうして当事者にとって、「取得しやすい風土」や「周囲の理解・サポート」への不安が拭えないのでしょうか。
新たに浮かんだこの課題を明らかにするために、インタビューは次のフェーズに移行しました。
違う視点から男性育休を見てみよう!
私たちが次に重視したのが、当事者にとっての「周囲」である、引継ぎをうけた同僚や、上司の方の声でした。
1か月前後以上取得をした方には、「上司・同僚への業務引継ぎ」が発生しています。
チームをマネジメントする立場からすると、属人化した業務の代替要員がおらず、「抜けられると困る」という対応や、復職時に「これからはまた切り替えて仕事頑張ってくれよ!」と声をかけたという経験談もありました。一方で、男性育休を取得する部下だけを優先することはできず、チーム全体を見て、不在者が出る期間を乗り切るための視点は、マネージャーならではと感じました。そしてそこには、見えない努力や配慮が行われていることも知りました。
同僚の方にとっては、育休取得中の引継ぎ対応は、通常の自分の業務にプラスされる内容です。それでも皆さん、「不満」というほどの声は聞かなかったものの、「戸惑い」や「不安」は多く聞かれました。
業務負荷があがる中で、社内外の関係者とのコミュニケーションや、引継ぎ時には聞いていなかったイレギュラー対応、トラブル対応など、私たちが称賛を送りたくなるほど、懸命な同僚の方の努力を知りました。
「復職されたときに、何も問題なかった状態で戻せるように頑張るだけです」…特に印象に残った同僚の方の発言です。
上司・同僚・取得当事者・・・異なる立場の視点に立って男性育休にまつわる課題やニーズを見てみることで、大事なポイントを強く実感しました。
〈インタビューで実際にいただいた声を抜粋してご紹介します〉
✓1か月以上取得すると、不在時に進んでいる想定だったタスクが滞留していないか、方向性がズレてしまうのではないかと不安になる(30代/当事者)
✓数か月抜けると、業務内容だけではなく人間関係や体制も変わってしまう不安がある(30代/当事者)
✓休む前は、数か月休むと自分の役割やポジションがなくなってしまうのではと不安だった(30代/当事者)
✓引継ぎ準備のために労働負荷が増えたが、復職後に業務の棚卸と整理の機会になっていたとポジティブな面を感じた(30代/当事者)
✓復職後に上司からかけられた声は、「ここから切り替えてまた頑張って」だった(20代/当事者)
✓担当者間で取得に対してネガティブな感情はない。やるっきゃない、という感覚(20代、サポーター)
✓引継ぎは表面上理解していても、突発的な出来事への対応や聞いていた話と違うことが起こった時こそ大変(30代/サポーター)
✓数週間程度の短期で引き継がれる情報の精度は、思っている以上に低いんです。それでも、同じ会社なら100%理解してるでしょ、というスタンスでクライアントから接せられる場面にいかに対応するか、です(30代/サポーター)
✓先輩から自分に期待があって引き継いだなんて思えないですね。終わってから言われてもキレイごとに感じます(20代/サポーター)
✓自分にとってはそつなくこなせる内容だが、若手にとっては成長の機会になると思う(40代/サポーター)
「誰かのため」だけではなく、あらゆる立場に立って考えること
改めて企業の方にお聞きすると、「男性育休取得者を支えた同僚の方」に対する視点や施策を講じている企業は、まだほとんどありませんでした。法改正が進む中、まずは環境の整備が最優先なので、そこまで手が回らない、というのが現実だと思います。
しかし、男性育休の取得促進をするうえで、「取得当事者のため」という視点を追求しすぎた施策が進んでいくと、一方で努力や苦労をして支えている存在が置いてきぼりになるリスクもあります。
男性育休を推進するうえで、それに関わるあらゆる立場の社員に目を向けること・・・、多くの企業が賛同してくださいました。
こうして、私たちが、今まさに活動内容を検討している中で、ブラさず大切にしたい軸が生まれました。
次回の記事では…
プロジェクトでは「男性育休の未来のあたりまえ」とは、どういったものなのか?を日々考えています。
その検討において、大切な仲間となる存在をご紹介したいと思います!楽しみにお待ちください。
男性育休でかなえる「子育てのアップデート」
こんにちは!本プロジェクト担当の大島と浜本です。
私たちは、2020年から、DNPの新規事業として「BabyTech(ベビーテック)」領域に取り組んでいます。ベビーテックとは、主に妊娠期から未就学児までの子育てを支援するICT/IoTの製品・サービスの総称で、2016年にアメリカのCESで提唱された概念です。
(参考:活動開始時ニュースリリース)
「働く」と「育てる」を両輪で回すために必要なこと
私たちは、「子育てをアップデートする」というビジョンを掲げ、「産みやすく、育てやすい」に留まらず、もっとポジティブかつ能動的に「産みたくなる、育てたくなる」社会の実現を目指してきました。(参考:私たちが考える、子育ての課題とは?)
活動を通して次第に課題意識が強まった視点は、少子化の中でも増え続ける共働き世帯にとっての「育てにくさ、働きにくさ」でした。子育てに便利なICT/IoT製品やサービスは増えているものの、まだまだ多くのワーキングペアレンツにとって、「働く」と「育てる」が両輪で回る状態を目指す上で課題があります。
2022年4月には育児・介護休業法が改正され、国としても、企業としても、ますます男性育休の取得推進を強化していく流れになります。
私たちは、企業が男性育休を推進する上での課題解決をすべく、事業化検討に踏み出しました。「子育てのアップデート」において、男性の育児参加は必要であり、男性育休は夫婦で育児のスタートラインを切れる絶好のチャンスといえます。また、企業がダイバーシティ&インクルージョンに取り組む上で、「子育て中の社員」に対する施策は欠かせないものとなっており、D&I領域の具体施策としてご提供できることを目指しています。
男性育休を取り巻く課題
サービスアイディアを検討する上で私たちが重視したことは、ステークホルダーへのインタビューです。社内外の育休取得対象の男性社員、男性育休推進担当の人事部門やD&I部門の担当者、また当事者をサポートする同僚社員やマネジメント層など、幅広く実施しました。
企業にとっての喫緊の課題はやはり取得推進ですが、推進していく上では「取得しやすい風土醸成」や「周囲の理解・サポート」が必要不可欠です。しかし、職場の風土は職種や業務内容によってもバラつきがあり、なかなか一律に推進していくことは難しい状況のようです。
<インタビューによって見えてきた各ステークホルダーの課題>
取得当事者:育休を取りたい気持ちはあるものの、周囲への迷惑をかけてしまうことや「自分の居場所がなくなってしまう」という不安から、タイミングや日数を妥協してしまう
マネジメント層:属人化した業務の代替要員がおらず、「抜けられると困る」という対応をしてしまう
当事者を支える同僚:育休取得中の引継ぎ対応に、物理的な業務負荷がかかり、不満に繋がってしまう
※インタビュー詳細は、第2回以降のコラムで詳細をお伝えしてまいります!
私たちは、法改正や世の中の後押しのままに取得率や人数を追い求めて育休推進をしていくと、男性育休制度自体が形骸化してしまうのでは、ということを新たな課題としてとらえています。その上で、形骸化しない理想の男性育休の姿とはどんな状態なのだろう?と考えるようになりました。
男性育休のあるべき姿とは?
理想の男性育休のあり方はどんなものか、そしてそれを実現するためには何が必要なのでしょうか・・・。
私たちのプロジェクトでは、まずはこの「あるべき姿」から定義・提唱していくことにしました。DNPがコーポレートスローガンにも掲げる「未来のあたりまえ」となる男性育休の姿を定めて、DNP自身が、そのゴールイメージである男性育休を実現してくことから始めてまいります。
今後の活動
まずは、来る2022年10月の次期 法改正までに、男性育休のあるべき姿を外部の有識者とともに定義し、世の中に発信していきます。そして、その定義に共感・賛同する企業を募り、コミュニティを形成しながらあるべき姿を実現するための仕組み(サービス)を作っていく計画です。
すべての活動進捗は、このPJ内で報告していきますので、ぜひ進捗を楽しみにしてください!
履歴書、運転免許証、パスポート、願書などさまざまなシーンで利用するものの、誰もが特に意識することなく使っている証明写真ブース。 何気なく立ち寄るコンビニや駅にひっそりとあるその空間は、わずか1㎡にも満たない小さなスペースです。日常的に目にするその小さな空間を、単なる「撮影スペース」から最新のテクノロジーを使って生活者に新たな体験を提供できる「デジタルデバイスブース」に変えていきたいと考えています。 DNPが全国に約7.400台設置している証明写真ブースの可能性を拡げ、より便利で豊かな暮らしの実現に挑戦していきます。
海洋プラスチックや地球温暖化などの環境問題の解決のため、使用済みプラスチックをリサイクルし、資源を循環させていくことが求められています。DNPでは容器包装からの再生プラスチックを題材に、様々な分野のデザイナーの方々と一緒に再生材の新しい活用方法を生み出す「 Recycling Meets Design🄬 Project 」を推進しています。