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2021.5.14
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全社のイノベーションのハブを担うDNP INNOVATION PORT

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2020年8月にローンチしてから約1年半が経つ「DNP INNOVATION PORT」。

今日までの間、社外との事業共創に取り組むだけではなく、各事業部の垣根を越えてイノベーションを生むハブとしても成長してきました。

今回は、当サイトを運営する内山と金井に、DNPにおけるオープンイノベーション専門部署の役割についてインタビューしました。ぜひご覧ください!

DNP内山まり&金井剛史

 

■社内のイノベーション拠点を目指す「DNP INNOVATION PORT」

 

――オープンイノベーションの専門部署が立ち上がる前の、社内の事業開発はどう進行していましたか?

内山 各事業部において新規事業部門は組織としてあり、それぞれが事業シナジーに基づくテーマを持って活動していました。そうは言っても、事業開発に特化した横断的な専門組織はなく事業部内の取り組みとして完結していたので、成功事例が生まれてもプロセスなどの知見が事業部間で連携されにくい、などの課題がありました。

 

――2018年に新設されたビジネスデザイン本部は、社内でどんな機能を担ってきたのでしょうか。

 

金井 オープンイノベーションを掲げ、新たなビジネスを創っていく、というミッションで立ち上がったビジネスデザイン本部は、生活者視点で社会課題を解決するビジネスを創っていく部署として活動を開始しました。まずは自分たちでテーマを掲げて社外のパートナー企業を募集し、事業共創に取り組んできましたが、その動きを社内全体、オールDNPの活動になるよう、「DNP INNOVATION PORT」はハブとしての役割も担っています。

 

――「DNP INNOVATION PORT」では、自分たちの共創プロジェクトを進行する他に、オールDNPの共創を生み出すためにどういった動きをしていますか?

 

内山 社内に対しては、主に二つの活動をしています。一つは、各事業部の中だけに留まっていた新規事業のテーマを当サイトに掲載して、自分たちのやりたいことを社外に発信していくことです。社内を見渡して、会社の既存イメージとは異なるような新たな取り組みプロジェクトをピックアップして「ぜひ載せてみませんか?」と声をかけています。

 

製品化、サービス化される前の今まで社外になかなか届けられなかった情報を取りまとめて、DNP全体のイノベーション活動が「DNP INNOVATION PORT」に集まる流れをつくっています。最近では、サイトを見た社内の新規事業担当者から、共創テーマの掲げ方やPRの方法を相談されることが増えてきました。「生活者視点」を軸にしたテーマを提案したり、興味をもってもらえるように見せ方を工夫して、掲載していく動きをしています。

 

金井 社内の動きを取りまとめて発信することで、既存のクライアントもDNPがモビリティや環境関連の事業に取り組んでいると知ってくれて、今までとは違う視点での新しいお付き合いが始まることもあります。共創パートナーとして様々なクライアントと新たな関係を築くことは、大きな意味があります。

DNP金井剛史

――スタートアップ企業と、社内の各部署との共創の架け橋を担うこともありますか?

 

金井 まさに二つ目の活動として、社内外をブリッジする動きをしています。このサイトから問い合わせをくれたスタートアップ企業と社内の該当部署を面談で繋ぐときに、アドバイザーの役割を担っています。社内担当者から、共創のイメージが沸かない、やり方もわからないという悩みを受けることも多いのが実情です。そのためその部署が持つソリューションの活かし方や、外から見えているポテンシャルを自分なりに伝えるなどして共創の可能性をアドバイスしています。

 

内山 「まずは一度会ってみませんか?」と無邪気に社内の背中を押すことも私たちの仕事だし、実際に複数企業との事業共創をいままさに実践している私たちだからこそ架け橋になれると考えています。自分たちでやりながら色々な壁を越えてパターンを覚えてきたので、その経験を使って社内で考えているテーマにおいて選択肢をひとつ増やしたり、可能性を広げるサポートをしています。

 

――自ら新規事業活動を実践しているからこそ自分たち自身のプロジェクトとの相乗効果も生めるのではないかと思います。

 

内山 単に社内のハブ機能に留まっても全社横断的な共創を積極的に生むことはできないし、アドバイザーの動きだけだとリアリティのない仮説立てしかできなくなってしまいます。自分たちでオープンイノベーションを担うこと、そのノウハウを社内に展開して架け橋となる動きをすること、両軸で必要だと思っています。どちらも中途半端にならないよう気を付けながらも、事業部視点に留まらずDNP視点、第三者視点で色々な部署の動きに目をくばり、常に情報をアップデートすることを心がけています。

DNP内山まり

 

■ このサイトが拠点となり、 モビリティやIoTなどのテクノロジー企業との取り組みが加速

 

――実際に、イノベーション活動の拠点として当サイトを使い事業共創に取り組んでいる事例はありますか?

 

金井 たとえば、このサイトでテーマとして掲げているモビリティ事業は、僕たちではなく社内のモビリティ事業部が起点の共創事業です。考案当初から外部との共創をイメージして、地方におけるMaaSなどに取り組んできましたが、単に自分たちが欲しい技術を持つ企業以外にも、HEMS関連や自動運転関連、エネルギーの効率化関連など、多様なパートナー企業との出会いが必要でした。

 

企業の募集や事業PRを該当部署だけで行うのは難しいので、僕たちが見せ方を一緒に考えて、このサイトに掲載しています。外部から問い合わせがあったらフィルタリングをして、マッチしそうだと判断すれば面談の場を開くなどのディレクションもしています。可能な限り僕たちも入ることで、彼らがやりたいことに肉付けする切り口を作れるかもしれないので、ただ紹介して終わりではなく伴走する姿勢で臨んでいます。

 

内山 他にも、先端テクノロジーのテーマでは、AIやIoT関連のスタートアップ企業からの問い合わせを多くいただき、定期的に社内の開発系のチームにインプットしています。今までの開発部署は、社内技術に対して社外の知見を取り入れて共創活動をしていくべきだという考えはあっても、積極的に外部との接点をつくる機会が多くはありませんでした。なので、私たちが介在して外の企業と繋がる場を設けることで、共創を考える起点が増えていけばと考えています。

 

もちろん、サイトにあるテーマ以外にも、企業からのお問い合わせ内容を元にどの部署と繋ぐのが良さそうかを考え、日々社内外の接点をアレンジしています。

 

■自分たちが「未来に挑む」ことで、オールDNPの共創をサポートする

 

―― 今の部署を拠点としてオールDNPの共創を生むために、今後はどんな活動に注力していきたいですか?

 

金井 個人的には、若手社員のモチベーションにもなる活動も増やしていきたいです。  「この会社は声を上げると面白いことができるんだ」と希望を持てる事例があると、若い世代も目標ができるし、会社としても良い循環になると思います。

 

たとえば、社内のアクセラレータプログラムで評価された先に、社外に対して共創テーマを掲げたり取り組みを掲載できる場があること、ここで活躍できることを知ってもらい、若手社員のモチベーションが上がると嬉しいです。そのためには、まずは僕たちが実績を積み上げていかないとですね。

 

内山 今、新規事業を手がけている人からも「DNP INNOVATION PORT」に載せたいと思ってもらえたり、逆にそれを目標に事業が立ち上がったりするとやっぱり嬉しいので、私たちもこの拠点を社内にどんどん開放してサポートし続けたいと思っています。

 

「共創」という言葉はいろいろなところで使っていますが、DNPとしての共創の形はまだまだ発展途上です。社内でも色々なアイデアが出ては消えている状況なので、まずはこのサイト、この部署を本当の意味でのハブとして、各事業部のメンバーが集まりオールDNPでの事業部横断プロジェクトが生まれる場所にしたいです。同時に、自分たちが社外との共創を体現していくことも求められるので、これらの活動をうまく両立させながら進んでいきたいと思います。

 

金井 サイトに掲げているキャッチコピー「未来に挑む準備はあるか」は、自分たちに対するメッセージでもあって。常にこれを念頭において、挑み続けていきたいです。

 

DNP内山まり&金井剛史

―― どうもありがとうございました!

 

今後、共創プロジェクトやオールDNPの連携がますます増えていくであろう「DNP INNOVATION PORT」に、ぜひご注目ください!