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2020.5.08
  • CO-CREATION

パッケージのリサイクル実態とは!?

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「容器包装プラスチック」のゆくえ

十数年前まで、プラスチックでできたパッケージは「燃えないゴミ」として分別されていたのを覚えていますか?

現在は、(燃やすごみとして回収されている地域も一部ありますが)多くの市町村で「容器包装プラスチック」を分別して回収しています。家庭から一般廃棄物として排出される容器包装廃棄物のリサイクル制度を構築することにより、一般廃棄物の減量と資源の有効活用を図ることを目的とした「容器包装リサイクル法」が制定されたことにより、生活者の分別方法も大きく変化しました。

この容器包装リサイクル法が制定された当時、一般廃棄物の最終処分場(埋立地)は何も対応しなければ7~9年で溢れてしまう状況でした。しかし、家庭から出るごみの約60%(容積比)を占めるパッケージを資源として回収しリサイクルすることで、最終処分場の寿命は大きく延長されることとなったのです。

プラスチックごみ

パッケージは何に生まれ変わる?

容器包装プラスチックとして分別回収されたパッケージは市区町村でいったん簡易に選別された後、再生業者に運ばれます。そこでプラスチックの種類ごとにさらに選別されたあと、洗浄や粉砕、溶解などの工程を経て、新しいプラスチックに再生されます。(材料リサイクル)

ここまでにもたくさんの手間やコストがかかっていますが、この再生されたプラスチック、残念ながらはじめと同じ品質ものに戻る、というわけにはいきません。様々な印刷がされているパッケージから作られるためインキの色が混ざって黒っぽくなったり、他の樹脂が混ざって純度が下がることで強度が低下したりもします。衛生面からも、もう一度パッケージにしよすることは難しいのが現状です。

では、そのような再生プラスチックは、どんなものに生まれ変わっているのでしょうか。代表的なものは、輸送に使用するパレットや公園のベンチ、花壇に使われている擬木など。ただ、それだけでは使いきれないために海外に輸出もされています。世界の中でもプラスチック使用量の多い日本においても、再生プラスチックは使える用途が限られてしまうために、価格も安く、余ってしまっているという実態があります。生活者の協力のもと、せっかくきれいな状態で分別回収し、手間やコストをかけリサイクルしても、出来上がったものの使いどころがない。これはパッケージのリサイクルにおいて大きな課題となっています。

モノマテリアル樹脂

パッケージのアップサイクルとは

パッケージをリサイクルして資源の循環の輪を回していくためには、再生プラスチックの使い途を増やし、みんなが使いたいと思うように価値を上げていくことが必要です。
そのために、今はまだ見つけられていない価値を生み出す資源として、テクノロジー×デザインの力が重要だと考えています。高品質な再生プラスチックを生み出す新しいリサイクル技術、そして新しい価値を生み出すデザイン視点。

DNPでは、様々なステークホルダーとともに、この2つの観点からパッケージのアップサイクルを目指す新たなプロジェクトを立ち上げる予定です。
魅力ある再生プラスチック素材をつくる技術を確立したい方、社会や暮らしの中でもっと再生プラスチック製品が使われる未来を描いている方はぜひお問い合わせください。