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2022.9.22
  • CO-CREATION

【PJ進捗報告】ワークライフシナジーをかなえる男性育休の循環とは?

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こんにちは!本プロジェクト担当の浜本です。

 

前回の記事では、このプロジェクトで目指す「山」である「ワークライフシナジー」について、お話させていただきました。

 

9月19日は「育休を考える日」

これまでに実施してきたインタビューから、男性育休取得によって「取得当事者」だけでなく「チーム」や「組織」にとっても得られることがある、という点が見えてきました。

 

9月19日は、「育休を考える日」です。2019年に積水ハウス株式会社によって記念日制定されました。

私たちも、この記念日にちなみ、男性育休取得が企業、組織、チームにもたらす新たな視点について考えてみました。

今回の記事では、ワークライフシナジーをかなえる男性育休の循環のあり方として、私たちがたどり着いた仮説についてご紹介します。

 

 

男性育休をきっかけに起こるチームの変化

その仮説とは、「男性育休は、つよいチームづくりにつながる」というものです。

つまり、「代替人員なしで、チームメンバーが数か月単位で抜ける」という、一見ピンチな状況は、それに対する準備や対策をすることで、「チームがつよくなる」というチャンスにつながるのではないか、ということです。

 

私たちが考える「つよいチーム」とは、メンバー同士の助け合いが循環し、誰が抜けても成果を上げ続けられるチームの状態と定義しています。

この中で重要なのは「メンバー同士の助け合い」であり、それが一時的なものではなく、「チーム内で循環」していくことだと考えました。

 

 

男性育休で起こる助け合いの循環とは?

全体で見ても企業の平均男性育休取得率は10%台で、まだまだ男性が育休を取得することが「あたりまえ」になっている風土の企業ばかりではないと思います。そんな中でも、男性育休の特性をプラスに捉えることで、チーム内で助け合いの循環が生まれ、もっとポジティブに取得を支援していけるのではないでしょうか。

 

男性育休の特性として挙げられるのは、「自身の体調や身体的変化はないため、余裕を持って育休取得のための準備期間が持てること」と、「数か月単位の期間限定で業務を引き継ぐこと」という点です。

この点を活かすと、期間限定の業務を依頼する際に、しっかりと準備とコミュニケーションを持って引継ぎができるといえます。

男性育休は、準備段階・実際の育休期間・復職後・・・様々なシーンでチームメンバーの作業が発生します。人によっては、負荷が増えてしまうこともあります。取得当事者と引継ぎ者間だけでなく、チームをマネジメントする上司やチームメンバー同士の助け合いが、半強制的に試される期間となります。

 

この期間を、いかに、お互いの立場や役割、気持ちを理解しあったコミュニケーションで乗り越えるかどうかが、「助け合い」を循環させる肝ではないかと考えます。

 

実際にどんな助け合いをしているのか、私たちのインタビューにおいて好事例だと思えたチームを紹介します。

下記はそのチームが行った助け合いと、それによってチームが得たものの一例です。

 

<当事者の工夫>

✓誰が読んでも分かりやすいように注意して引継ぎ資料を作成した

✓関連フォルダを整理し、書類の場所を見失わないようにケアをした

→業務の棚卸しの機会となり、復帰後含めて効率化できる部分の発見につながった

→配慮のある引継ぎ準備が、引継ぎ相手やマネージャーとの信頼関係強化につながった

 

<引継ぎ者の工夫(当事者の後輩)>

✓復職時に仕事をスムーズに戻すことができるように進捗管理をし、それを履歴に残すようにした

→引継ぎ者にとって、新たな仕事の経験をするきっかけとなり、スキル向上につながった

 

<上司の工夫>

✓不在時に起こった不測の事態に対して、当事者に連絡がいかなくても済むように共に対応をしてリカバリをした

✓小まめに声がけや1on1を実施し、部下への期待を伝えたり、状況把握を心掛けた

→チームにとって、リーダーへの信頼が高まり、メンバーのエンゲージメントがあがるきっかけとなった

 

相手の気持ちや負荷を、配慮したり予測したりすることで、その後の信頼関係につながっている点や、本音を伝え合う場を持つことで、「分かっているつもり」「分かってもらっているつもり」といったコミュニケーションエラーが減っている点など、心理的安全性やエンゲージメント向上につながっていると感じられました。

 

一方で、ここまでの状態にあるチームは決して多くなく、誰もが実践するにはハードルが多々あるであろうとも感じています。

 

仮説の確からしさを企業との対話で見出したい

 

「男性育休は、つよいチームづくりにつながる」

この仮説を持ちながら、そこに共感してくださる企業と、「どうすれば、男性育休がつよいチームづくりにつながるのか?」を共に考える場の計画を進めています。

実現には課題も多くあるはずなので、私たちが把握しているチームの現状や課題をもとに、様々な企業にとっての状況も把握していきたいと思います。

そして、ボトルネックになっている部分を見出しながら、その解決策をサービス化できるように進めていきたいと思います。

 

次回の発信も、お楽しみに!