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2022.10.21
  • CO-CREATION

産後パパ育休スタート記念!経験者が語る「男性育休制度のアレコレ」

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こんにちは、本PJ担当の大島です。

 

育児・介護休業法の改正により、2022年10月1日から産後パパ育休がスタートしました。これまでの育休に追加して、産後8週間以内に最長4週間取得できる制度です。2回に分割して取得できる点、一定の条件をクリアしていれば休業中の就業が可能な点など、これまで以上に取得促進につながることを目指した視点での改正が伺えます。

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▲出典:厚生労働省HPより

 

これまでインタビューしてきた対象者の方々が課題として感じていた、「1か月仕事を抜けることが不安」「案件やチームの状態が不安で長くは休みにくい」・・・といったポイントも、少しは解消されるのかな、という期待を抱いています。

そして、私たちが目指す「ワークライフシナジー」の実現にも通じる要素を感じます。

 

実際にこれまで男性育休を取得してきた対象者からみると、この制度変更にどんな期待や不安を抱くのでしょうか。

今回は、この2年以内に実際に男性育休を検討・取得した男性社員3名と、産後パパ育休を含めた男性育休制度にまつわるアレコレをディスカッションしてみました。

 

対象者

papa3

 

育休取得の理想の姿とその壁は?

Aさん:私は、難産だった妻をしっかりサポートしたい一方で、長く取りすぎると、仕事に戻るのが心配だったので、1か月取得が理想でした。理想通りに取得できた形です!

Bさん:私も1か月が理想でした・・・ただ当時仕事がものすごく繁忙で、妻の実家のサポートに頼ることにしました。育休としては2歳以内に取ることを目指していたので、無事取得できてよかったです。

Cさん:2人目までは、理想は1年と思っていました。仕事よりも家庭優先!と思っていたのですが、3人目の今、仕事に対する思いが少し変わって、理想は3-4か月くらいですね。最終的には、仕事でやりたいこととの調整を現実的に考えて、2か月取得になりそうです。

 

大島:理想の期間も色々ですね!思うほどには取得できない要因は何だと思いますか?

Bさん・Cさん:仕事ですね!!それはやっぱり!!

大島:そうですよね・・・仕事さえ調整できれば・・・とストレスに感じたりしますか?

Bさん:いえ、仕事は仕事でイヤイヤやっているわけではなく、やる気も責任も感じているんですよね。もちろん、子どもとは出来る限り一緒にいたいから、「バランス」だなと思います。

Cさん:バランス、分かります!!私も、妻と子どもとしっかり過ごせる期間と、仕事に戻りやすい期間のバランスをよく考えました。

 

産後パパ育休に期待できそうなこととは?

大島:産後パパ育休も加わった「男性育休制度」に対してどんな期待を抱きますか?

Cさん:私の仕事は、仕事の区切りがつきやすく、一旦他部門にボールを渡す、また一定期間経つと戻ってくる・・・といったイメージです。なので、この区切りごとに分割して取得しやすくなるかなと思います。

大島:なるほど!今回「分割」は大きなキーワードですもんね。

Aさん:私は分割よりまとめて取得がいいですね。都度準備したり抜ける対応をする方が、オーバーフローしそうな予感です。

Cさん:3人目の子育てをしている立場だと、産後直後以外にも、保育園入学時や妻の復職時などなど、サポートしたくなるタイミングは待ち受けているので、少し長い期間で見た「分割」は有難いと感じますね。

Bさん:なるほど~。私は、2歳直前で取得することについて、少し周りの理解を得る努力が要りました。反対する方はいませんでしたが、「今のタイミングでも休んでやることあるんだっけ?」という見られ方をしている不安はありました。

大島:どうしても育休=産後直後というイメージは強いですよね。そこが定着してきたことは良いことですが、制度がこれほど多様化してくると、子どもが少し大きくなってきてから取得する意味も周知していかないと、期待通りに活用しきれませんね。

 

制度をうまく利用するために、チームに対してできることは何か?

大島:部門内や社内で、男性育休経験者として声をかけられたり、相談されることってあるのでしょうか?

全員:いや、ないですね~!!!

Bさん:仕事の会話の流れで子どもの話をすることはありますが、パパつながりでの会話はほぼないですよ。

大島:私たちは、男性育休取得が循環していくためには、引継ぎやマネジメントをするチームの方の理解や負担への考慮、事前の準備・・・などが非常に重要と感じています。多様な立場にある方のワークライフシナジーを実現したいと考えているからです。

皆さんから今日挙がった理想の取得を阻む壁に対して、どのようなアクションがあると効果的と感じるか、3つの選択肢から「これぞ!」と思うものを選んでみていただきたいです。

1 チームメンバーへの制度の説明・周知

2 相互理解につながるようなコミュニケーションの場の創出

3 引継ぎや業務移管の体系化

Aさん:2ですね!!私のチーム内は、たまたまメンバーが順番に育休を取得する時期が続きました。チームがボロボロになる恐れもあったと思いますが、むしろお互いのタスクや取り組みが共有されて、リレーションが取りやすくなったんです。 普段からコミュニケーションがあることが大切で、いきなり誰か不在になっても、メンバー同士の相互理解で、「誰か知ってくれている・動いてくれていると思っていた」といった食い違いがなくなると思います。

Cさん:3は業務によると思いますが、体系化はなかなか難しいと感じます。1は当事者ではない立場で聞いても、なかなか情報として残らないと感じます。比べて2は、配置や役割が変わることで他者視点を得られるので、新たな学びになると思います。その学びを共有する場があると、さらに良いですよね。

大島:違う立場を体験することで得られる多様性やスキル・・・ありますよね!

Bさん:同じ意見ですね。1については、上司の立場の方には知っておいていただきたいと思いますが。

大島:みなさん2に意見が集中しました。いずれも必要なアクションだとは感じつつ、根底にあるのは、コミュニケーションであり、そこから生まれる日頃の相互理解ということですね。本日は、ありがとうございました!

 

ディスカッションを振り返って

今回のディスカッションは、職種や職場環境も異なる3名に集まっていただきました。それぞれの理想の姿は異なるものの、仕事と家庭両方にモチベーションや責任を感じながら、最善の方法をうまく探して実現する方々でした。

そして、その実現のためには、上司をはじめとする周囲の方が、どこまで理解し支援してくれたか、それがチーム全体にあたりまえとして広がっていたか、が影響していたように思います。

 

相互理解は数日で築かれるものではなく、日々の積み重ねで成り立ちます。会社の大切な資本である社員が抱えるやる気や責任感を、プラスの方向で発揮していくために、どのような環境・状況にある職場でも、チーム相互のコミュニケーションを生み出し、理解し合える、助け合える風土の必要性を実感したディスカッションでした。

 

ちなみに・・・このディスカッション、実は事後の方が盛り上がっていたのです。部門を超えたパパ同士で語り合う場が貴重だったようで、ディスカッション後には、「トイトレどうしてます?」「こんな情報ありました!」といったチャットが活性化しました!

 

こんな横・ナナメのつながりがあるだけで、男性育休のハードルも少しずつ下がっていくのかな・・・と思う場面でした!

 

次回の記事も、お楽しみに!